「Excelや紙で管理している情報、もっと便利に扱えたらいいのに…」
「業務アプリを作りたいけれど、開発コストや時間がかかりそうで踏み出せない」
そんなお悩み、AppSheet なら解決できるかもしれません。
AppSheetは、プログラミング不要で業務アプリを作成できるGoogle提供のノーコードプラットフォーム です。
Google スプレッドシート(以下、スプレッドシート)やExcel のデータをそのまま活用しながら、スマートフォンやPCで使えるアプリを作成できるため、ITスキルがなくても手軽に業務をデジタル化できます。
今回の記事では、AppSheet の基本機能や活用シーン、料金体系 について詳しく解説します。
「自分でアプリを作ってみたい」「業務をもっと効率化したい」と考えている方は、ぜひ参考にしてみてください!
【目次】
1. AppSheet の特徴
2. AppSheet の主な利用シーン
3. AppSheet 上で作るアプリのイメージ
4. AppSheet 構築の流れ
5. 料金体系
6. AppSheetが得意なアプリ・苦手なアプリ
7. まとめ
1. AppSheet の特徴
AppSheet は、プログラミングの知識がなくても、業務に役立つアプリを手軽に作成できるノーコード開発プラットフォームです。
特に以下のような特徴を備えており、ビジネスのさまざまな場面で活用できます。
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コード不要で直感的にアプリ作成
専門的なプログラミングスキルがなくても、フォームやテンプレートを活用しながら、業務に合わせたアプリを簡単に構築できます。
ドラッグ&ドロップ操作でUIをカスタマイズできるため、初心者でもスムーズに開発が可能です。
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データソースとのリンク
スプレッドシートや Bigquery、Excel などのデータベースと接続が可能なため、現在利用中のデータを最大限活用できます。
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モバイル対応
作成したアプリは、スマートフォン(iOS / Android)やPCで利用可能。
オフィスでも現場でも、いつでもどこでもリアルタイムで情報を入力・確認できる環境を構築できます。
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業務に合わせた柔軟なカスタマイズ
ビジネスルールの設定や、条件に応じた表示変更など、業務プロセスにフィットする形でアプリを調整できます。
自社独自のワークフローに合わせたカスタマイズも可能です。
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安全性と管理機能の充実
データの暗号化、アクセス権限の設定、利用ログの記録など、セキュリティ面でも強力な機能を搭載。
企業の情報管理ポリシーに準拠したアプリ運用が可能です。
2. AppSheet の主な利用シーン
AppSheet は、業務のさまざまな場面で活用できる汎用性の高いツールです。特に以下のようなシーンで効果を発揮します。
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企業の業務管理・プロジェクト運営
ー タスク管理や進捗管理のアプリ化
ー 社内のワークフローをデジタル化し、業務効率を向上
-
現場作業のデジタル化
ー 設備点検・作業報告アプリの作成
ー チェックリストやマニュアルをデジタル化し、現場スタッフと情報共有
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データ収集・分析の効率化
ー 収集したデータをダッシュボード化し、リアルタイムでの可視化
ー 顧客情報や売上データを一元管理し、データドリブンな意思決定をサポート
3. AppSheet 上で作るアプリのイメージ
AppSheet では、例えば以下のようなタスク管理アプリが10分程で作成できます。
下記では、完成したアプリを参考としてご紹介します。
- タスク一覧(参考例)
- タスクの追加画面(参考例)
- 新規タスク一覧画面(参考例)
※データベースとして使用していたスプレッドシートにも自動でデータが反映されます。
4. AppSheet 構築の流れ
AppSheet 構築の流れは、以下のようになっています。
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アプリの雛形作成
新しくAppSheet のアプリの雛形を作成します。
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データのインポート
スプレッドシートやExcelなどからデータを読み込みます。
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ユーザーインターフェースのカスタマイズ
アプリの見た目をカスタマイズしてユーザーの利便性を高めます。
-
テストと公開(デプロイ)
構築したアプリをテストし、実際の業務に適用します。
上記手順1~4のAppSheet 構築の流れについて、各手順の詳細をご説明します。
1.アプリの雛形作成
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- 以下のURLから AppSheet のホーム画面を開き「Create > App > Blank App」を選択して新規アプリを作成します。
https://www.appsheet.com/home/apps
- アプリの編集画面に遷移します。
- 以下のURLから AppSheet のホーム画面を開き「Create > App > Blank App」を選択して新規アプリを作成します。
2. データのインポート
次にデータのインポートを行います。
本手順はスプレッドシートやExcelで管理している業務データを、そのままアプリに反映させるために行います。
また、アプリ上での更新内容がインポートしたデータ(スプレッドシートやExcel)にもリアルタイムで反映されるため、効率的なデータ管理が可能になります。
今回は手順1で作成した雛形のアプリに、スプレッドシートからデータを読み込む手順についてご説明します。
- サイドパネルの「Data」をクリックしデータソースの画面を開き
「Add new Data」から任意のデータソース(今回はスプレッドシート)を選択します。
※AppSheetで利用できるデータソースは、以下を参照してください。
複数のデータソースを使用する - AppSheet ヘルプ
- Googleドライブからデータソースとして利用するスプレッドシートを選択後、
データの更新可否などを設定します。
- AppSheetにデータソースが追加されます。
3. ユーザーインターフェースのカスタマイズ
本手順は、アプリの見た目をカスタマイズし、ユーザーの操作性を向上させるために行います。
例えば、タスク管理アプリでは、タスクの一覧を見やすく配置し、新規追加ボタンを分かりやすい位置に置くことで、利便性を向上することができます。
ユーザーインターフェースのカスタマイズ手順を詳細にご説明します。
- サイドパネルの「Views」をクリックします。
- 「PRIMARY NAVIGATION」の「Add View」をクリックし、編集画面で必要な情報を入力します。
View name:Viewの名前です。
For this data:Viewが参照するデータを指定します。
View type:データをどのように表示するかを指定します。
※その他のView設定項目に関しては、以下を参照してください。
ビュー設定: 基礎 - AppSheet ヘルプ
- 設定完了後に保存して、PCであればデスクトップマークをクリックすることで
プレビュー画面を表示できます。
4. テストと公開(デプロイ)
構築したアプリのテストを行い、必要に応じて公開(デプロイ)します。
5. 料金体系
AppSheetには、無料プランと有料プランが用意されています。
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無料プラン
アプリの開発やテストが可能で、最大10人までのユーザーと共有できます。ただし、外部へのメール送信やプッシュ通知など、一部の機能に制限があります。
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有料プラン
ー Starterプラン
1ユーザーあたり月額5ドルで、基本的な機能に加え、ユーザー数の制限がありません。
ー Coreプラン
1ユーザーあたり月額10ドルで、Starterプランの全機能に加え、
高度な機能やセキュリティが強化されています。
ー Enterprise Plusプラン
1ユーザーあたり月額20ドルで、Coreプランの全機能に加え、さらに高度なデータ管理や
認証、Google AIなどの高度なサービスが利用可能です。
その他、補足事項については下記の通りとなります。
・Google Workspaceユーザーへの特典
2023年8月以降、Google Workspaceのほとんどのプランで、追加料金なしでAppSheetのCoreプランが利用可能となりました。
・費用発生のタイミング
AppSheetでは、アプリを「公開(デプロイ)」すると料金が発生します。公開しなくても10人までのユーザーと共有してテストすることが可能です。
6. AppSheetが得意なアプリ・苦手なアプリ
AppSheetは、業務を効率化したり、データを管理したりするアプリを作るのに向いています。
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データの収集・管理
ー 営業日報、顧客リスト、在庫管理など -
タスク・プロジェクト管理
ー チームの進捗共有、作業リストなど -
現場作業のサポート
ー 点検チェックリスト、作業報告書など -
簡単なデータ分析・レポート作成
ー 売上データの可視化、業績管理など
AppSheetは、スプレッドシートやExcelと連携することで、リアルタイムにデータを共有・更新 できるため、チーム内の情報管理をスムーズにしたい場合に便利です。
・AppSheetが構築に苦手なアプリ
一方で、AppSheetには不得意な分野もあります。例えば、以下のようなアプリを作りたい場合は、他のツールを検討した方がよいでしょう。
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リアルタイム通信が必要なアプリ
ー オンラインゲーム、チャットアプリなど -
デザインの自由度が高いアプリ
ー こだわったレイアウトやアニメーションを多用するアプリ -
大量のデータを扱うアプリ
ー 数百万件のデータを高速処理するようなアプリ -
スマホの高度な機能を活用するアプリ
ー カメラの細かい制御やGPSを駆使したアプリなど
こうしたアプリは、個別にアプリを開発するか他のノーコードツール の方が適しています。
7. まとめ
AppSheet は、プログラミングの知識がなくても簡単に業務アプリを作成できるノーコード開発プラットフォームです。
スプレッドシートやSQLデータベースと連携し、スマートフォンやPCでリアルタイムに活用できるアプリを手軽に構築できます。
本記事では、AppSheet の基本と活用方法について詳しく解説しました。
AppSheet で、どれだけ簡単にアプリを作れるかをイメージしていただけたのではないでしょうか。
料金体系も柔軟で、無料プランから始められるため、まずは試しにアプリを作ってみるのもおすすめです。
また「こんなアプリを作りたい」「導入のサポートをしてほしい」
といったご相談がありましたら、ぜひ弊社までお気軽にお問い合わせください。
【参考情報】
Pricing | Google AppSheet
ビュー設定: 基礎 - AppSheet ヘルプ
複数のデータソースを使用する - AppSheet ヘルプ
※本記事の情報及びスライド内の画像は2025年2月時点での仕様のものです。
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