オンプレミス環境のファイルサーバーからSaaS製品への移行に伴いファイルサーバーのデータを移行しなければならない、という要件が発生したことはないでしょうか。
一方で、大量のデータを手動で移行するのはかなりの工数がかかりますし、「必要なファイルだけ移動したい」「移行後に更新があったファイルだけ移行したい」といった課題にも直面する可能性があり管理も大変ですよね。
今回は、Google Workspace の Googleドライブ へGoogle社の提供する「パソコン版Googleドライブ」とWindowsのrobocopyコマンドを用いて、ファイルサーバーから移行を行った事例をご紹介いたします。
【Windows の robocopy コマンドとは】
ファイルデータを別の場所にコピーするコマンドです。 通常のファイルコピーや、コマンドプロンプトでのxcopyと異なり、高速かつネットワークトラフィックの低下や一時停止に強いコピー機能を備えています。
【お客様の抱えていた課題】
- 簡易な移行環境で大規模データを移行したい
- 不要なデータを除いて移行したい
- 移行中にファイルサーバー側で更新のあったファイルも移行したい
- フォルダ単位でリリース時期を分けたい
上記のような相談があり、移行方針の検討から実際の移行ご支援までを、弊社にて実施する運びとなりました。
【課題へのアプローチ】
お客様の課題に対して、弊社では下記の解決策を検討いたしました。
- 移行元のファイルサーバーにパソコン版Googleドライブをインストールしてしまうと業務に影響がでる可能性があるため、現在業務で使われていないWindowsパソコンまたは、ご契約いただいたGoogle Cloud にて、移行用環境を構築する
- Google社提供のツール「パソコン版Googleドライブ」とrobocopyコマンドを利用する
- robocopyコマンドの除外オプションで、不要なデータを除外して移行する
- robocopyコマンドのオプションで、更新分のファイルを移行する
- 移行対象とするフォルダ単位でバッチファイルを作成し、移行する
上記の構築では、ファイルサーバーからGoogleドライブへのデータ移行を、大規模なシステム構築を伴わずに、比較的安価で手軽に実施できる方法を選択しました。
【移行の概要】
<移行環境の構成>
【移行の結果】
今回の構成により、低コストかつ短時間で移行環境を構築することができ、ファイルサーバーからGoogleドライブへのデータ移行を問題なく完了することができました。
以下に、実際に移行を行った際のデータ量(オブジェクト数および容量)と、それに要した移行時間を記載します。
上記表を元に分析した結果、オブジェクト数が多いほど移行に時間がかかる傾向が見られました。
そのため、移行前の準備として以下を実施することで、移行作業の効率化が期待できます。
- 不要なファイルの削除
- フォルダ構成の見直し
さらに、今回採用した移行方式には、いくつかの注意点や留意すべき事項もありますので、詳細については、以降の【作業の事前準備】【移行時の注意点】をご参照ください。
【作業の事前準備】
- 共有ドライブの制限に抵触しないよう、お客様にて移行元となるファイルサーバー側のデータの整理をしていただく必要があります。
- 移行対象とするフォルダと移行先の共有ドライブを検討していただく必要があります。
- データ移行時には、ファイルサーバーが存在するネットワーク帯域を使ってしまい、ユーザーへの業務影響がでる可能性があるため、移行が可能な時間帯の確認やファイルサーバーにて帯域制限を行った上で移行を実施する必要があります。
- 移行後の各共有ドライブにアクセスするユーザーと権限の検討と設定をしていただく必要があります。
- 共有ドライブで利用できないファイル(Excelマクロなど)は関数の制限があるため、パソコン版Googleドライブ経由でExcelを開いて利用してもらうなど運用を検討していただく必要があります。
【移行時の注意点】
- ファイル容量による移行速度の影響はほぼなく、ファイル数によって移行時間が大きく変わります。
- 移行環境(お客様環境のネットワークや、インターネットの回線速度)によっても移行時間は左右されます。
- ファイル数が多い場合、通信エラーなどの発生により、1回の移行作業で完了することは少なくありません。多くは、差分移行の実施が必要となります。
- 発生するエラーは、対応可能な範囲で原因を取り除きます。
主なエラーについては下記に記載します。
- 共有ドライブのフォルダ階層の制限(100階層)を超えるフォルダが存在している
- 共有ドライブにアップロード可能なアイテム数である50万アイテムを超えている(フォルダ、ファイル含む)
- ファイルのパス長が255文字を超えている
- ファイル名の先頭に半角スペースが入っている
- 一次的なネットワーク負荷により移行処理がエラーとなっている
- パソコン版Googleドライブのキャッシュが溢れ、処理が停止している
- バッチファイル内の移行元、移行先が存在しない
- 移行先の共有ドライブに移行で利用するユーザーの権限がない
いかがだったでしょうか。
本記事ではファイルサーバーからGoogle Workspaceへのデータ移行についてご紹介いたしました。
同様の移行をご検討されている場合は、ご参考になれば幸いです。
弊社でもサポートが可能ですので、お気軽にお問合せください。
【参考情報】
- Google ドライブにおける共有ドライブの制限 -Google Workspace ラーニングセンター
-
【Google ドライブ】ファイルサーバーからGoogle ドライブへのデータ移行 ーデータ移行:TIPS
※記載の情報は2024年12月時点での仕様のものです。
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