開発エンジニアのR.Kです。
ソフトウェア開発において「CI/CD」という言葉が一般化してきましたが、その具体的な内容やメリットを正確に理解している方はまだ多くないかもしれません。
この記事では、CI/CDパイプラインの概要、導入によるメリット、そしてGoogle Cloud環境で利用できる主要なサービスについて解説します。
CI/CDパイプラインとは?
CI/CDとは、「継続的インテグレーション(Continuous Integration: CI)」と「継続的デリバリー(Continuous Delivery) / 継続的デプロイメント(Continuous Deployment): CD」を組み合わせたソフトウェア開発手法です。
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継続的インテグレーション(CI)
CIは、開発者がコード変更を頻繁にメインブランチに統合し、自動でビルドとテストを実行するプロセスです。これにより、コードの競合や変更に起因するバグの早期発見・修正が可能になります。 -
継続的デリバリー/継続的デプロイメント(CD)
CDは、CIのテストプロセスに合格したコードを、本番環境へ自動的にデプロイするプロセスです。デプロイ作業を自動化することで、リリースにかかる手間を大幅に削減し、迅速かつ安全なリリースを実現します。
CI/CD導入のメリット
従来、ビルド、テスト、デプロイといった工程は手動で行われており、多くの時間や手間、ヒューマンエラーのリスクといった課題を抱えていました。CI/CDパイプラインを導入することで、これらの課題を解決し、開発プロセス全体を効率化できます。
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開発スピードの向上
コードの変更から本番リリースまでのリードタイムを短縮し、開発者の生産性を向上させます。これにより、顧客のニーズに迅速に対応することが可能になります。 -
品質の向上
自動化されたテストによってバグを早期に発見・修正できるため、高品質なソフトウェアを安定的にリリースできます。結果として顧客満足度の向上にも繋がります。 -
コストの軽減
ビルド、テスト、デプロイといった作業の自動化により、開発・運用コストを削減できます。また、迅速なリリースは早期の収益化にも貢献します。 -
リスクの軽減
手動作業を減らすことでヒューマンエラーによるバグの混入リスクを低減します。また、パイプラインにセキュリティチェックを組み込むことで、セキュリティリスクも軽減できます。
導入に伴う主な課題
CI/CDを成功させるためには、以下の課題をクリアする必要があります。
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高い初期コストと学習コスト
自動化のためのツールの導入、パイプラインの構築、および新しい技術やDevOpsの考え方を習得するための時間とリソースが初期に必要 -
ツールやパイプラインの継続的なメンテナンス
アプリケーションや環境の変更に伴い、継続的な保守・更新が必要となる
上記の課題はあるものの、長期的な作業効率の向上とリリースサイクルの短縮により、十分な投資対効果が得られると考えられます!
CI/CDパイプラインの基本的な仕組み
CI/CDパイプラインは、ソースコードがリポジトリにプッシュされた時点から、アプリケーションが本番環境で稼働するまでの一連のステップを自動化したものです。基本的なステップは以下の通りです。
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ソースコード管理
開発者が行ったコード変更が、Gitなどのバージョン管理システム(VCS)にプッシュされると、パイプラインが開始されます。 -
ビルド
CIツールがソースコードの変更を検知し、アプリケーションのビルドを自動的に実行します。 -
テスト
ビルドが完了すると、ユニットテストや結合テストなどが自動的に実行されます。テストで問題が発見された場合は、開発者に即座に通知されます。 -
デプロイ
すべてのテストに合格したアプリケーションは、ステージング環境や本番環境へ自動的に配置(デプロイ)されます。
Google Cloudで利用できる主要CI/CDサービス
Google Cloud環境でCI/CDパイプラインを構築するために利用できる主要なサービスを紹介します。
| サービス名 | 主な役割 | 特徴 |
|---|---|---|
| Cloud Source Repositories※ | ソースコード管理 | フルマネージドのプライベートGitリポジトリ |
| Cloud Build | ビルド、テスト、汎用デプロイ | コンテナのビルド、テスト、デプロイを自動化するマネージドプラットフォーム |
| Artifact Registry | アーティファクト管理 | コンテナイメージや各種パッケージを一元的に保存・管理 |
| Cloud Deploy | デプロイメント管理 | 高度なデプロイ戦略(カナリア、ブルグリ)やロールバックをサポート |
※2024年6月17日以降、Cloud Source Repositoriesを新規利用することができなくなりました。すでに利用中の組織は、引き続き継続して利用可能です。新しくCI/CDパイプラインを構築する場合は、他のGitホスティングサービス(GitHub、GitLabなど)との連携を前提とすることを推奨します。
Cloud BuildとCloud Deployの使い分け
「Cloud Buildでもデプロイは可能ですが、なぜCloud Deployを利用するのですか?」という疑問がよく聞かれます。それぞれを項目ごとに比較してみた表が以下の通りです。
| 比較項目 | Cloud Build | Cloud Deploy |
|---|---|---|
| デプロイ管理 | 汎用的なビルドツールとして、yamlでステップを詳細に定義 | デプロイに特化し、パイプラインを宣言的に管理(ウェブコンソール/API) |
| 高度な戦略 | 個別にスクリプトを記述する必要がある | ロールバック、カナリアデプロイメントなどを標準サポート |
| 可視性・監査性 | ビルドログが主体 | デプロイ履歴、メトリクスなどを提供し、追跡が容易 |
シンプルで個別性の高いビルド・デプロイにはCloud Build、本番志向の高度なデプロイ戦略とパイプライン管理にはCloud Deployが適しています。
Google CloudにおけるCI/CD構築例
Google Cloudサービスを組み合わせたCI/CDパイプラインの構築例を2つ紹介します。
構成例1: 外部リポジトリ(GitHubなど)+ Cloud Build + Artifact Registry + Cloud Run
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ユースケース
Webアプリケーションやモバイルアプリケーションなどの軽量なコンテナアプリケーションのデプロイ
構成例2: 外部リポジトリ(GitHubなど)+ Cloud Build + Artifact Registry + Cloud Deploy + GKE
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ユースケース
本番・ステージングなど複数の環境への段階的なリリースや、カナリアリリース等の高度なデプロイ戦略を安全に実行したいアプリケーション
まとめ
本記事では、CI/CDの基本的な仕組み、導入のメリット、そしてGoogle CloudでCI/CDパイプラインを構築するための主要なサービスと構成例について解説しました。CI/CDは、現代のソフトウェア開発において、開発効率と品質を両立させるための重要なプラクティスです。
次回の記事では、今回紹介したCloud Buildを実際に使用して、ソースコードのプッシュをトリガーに自動デプロイを行う具体的な手順を検証していきます。
このように当社ではGoogle関連のサービスを活用したアプリケーション開発を行い、Google Cloud・Google Workspaceをより便利にご利用いただけるようなお手伝いをしています。Google プロダクトを利用する上でのお困りごとがあればお気軽にご相談ください。
※本記事の情報および画像は 2025/12/16 時点での仕様のものです。