「新しい共有ドライブの組織部門」機能をご存じでしょうか。
2022年にリリースされた機能となり、それまで共有ドライブはすべて「ルート」組織部門に配置されていました。したがって、共有ドライブはすべて同じポリシーに従う必要がありました。
しかし、「新しい共有ドライブの組織部門」機能を用いることで子組織に共有ドライブを配置できるようになり、これにより共有ドライブのコンテンツのプライバシーやセキュリティをきめ細かく制御することが可能となりました。
本記事では、「新しい共有ドライブの組織部門」の機能概要や利用シーン、設定方法についてご紹介いたします。
【「新しい共有ドライブの組織部門」機能とは】
「新しい共有ドライブの組織部門」とは新規作成した共有ドライブを割り当てる組織を指定する機能です。下記に記載の「作成者の組織部門」あるいは「選択した組織部門」の設定が可能となります。
作成者の組織部門:
共有ドライブを作成したユーザーが所属している組織の設定が適用される
選択した組織部門:
設定を行った組織のユーザーが共有ドライブを作成したとき、管理者が指定した組織の設定が適用される
<設定画面イメージ>
【利用シーン】
「新しい共有ドライブの組織部門」の活用シーンとして、ファイルの「外部共有を可能とする組織」と「外部共有を不可とする組織」を作成しておき、組織部門は必ずどちらかに所属させることで共有設定の管理をより簡略化することが可能となります。
<運用例>
下記の図のとおりに、複数部署が存在する場合でも必ず「新しい共有ドライブの組織部門」を「外部共有可組織」or「外部共有不可組織」のどちらかとすることで、各部署のユーザーがフォルダを新規作成した際は選択した組織の配下に作成される。
そのため部署別で共有の設定は不要となり、共有に関する設定は2パターンで完結する。
※外部への共有設定については本資料では割愛とする。
【新しい共有ドライブの組織部門の設定方法】
<管理者側の操作>
①Google Workspaceに管理者アカウントでログインし、管理コンソールを開く
②管理コンソールにて、メニュー アイコン → 「アプリ」→「Google Workspace」 → 「ドライブとドキュメント」の順にアクセス
②-1.メニューアイコンをクリック
②-2.「アプリ」をクリック
②-3.「Google Workspace」をクリック
②-4.「ドライブとドキュメント」をクリック
③「共有設定」 をクリック
④対象の組織をクリック
※全ユーザーに設定を適用する場合は、最上位の組織部門(ここでは「ルート組織」)を選択したま
にします。それ以外の場合は、子組織部門(今回は「001_TEST」を選択します。
⑤下へスクロールし、「共有ドライブの作成」の編集マークをクリック
次項からは「新しい共有ドライブの組織部門」の「作成者の組織部門」「選択した組織部門」の設定方法および、設定変更後の挙動の説明となります。
※⑥⑦ともに、「1GWS一般」ユーザーが「001_TEST」組織に所属していることを前提とします。
「作成者の組織部門」について → ⑥へ
「選択した組織部門」について → ⑦へ
⑥「新しい共有ドライブの組織部門」で「作成者の組織部門」を選択する場合
【設定手順】
⑥-1.「作成者の組織部門」を選択
※既に選択された状態である場合は設定手順をスキップしてください。
⑥-2.「保存」あるいは「オーバーライド」をクリック
【確認手順】
次項から、設定の反映が正常に行えているかの確認方法を記載いたします。
⑥-3.「1GWS一般」ユーザー(エンドユーザー)で新規共有ドライブ「作成者の組織部門」を作成
(共有ドライブの作成方法についてはこちら)
<エンドユーザー側の操作画面>
⑥-4.管理コンソール上で共有フォルダ「作成者の組織部門」の組織を確認すると、「1GWS一般」ユーザーが所属している「001_TEST」組織の管理下に作成されたことが分かる
(共有ドライブの所属組織の確認方法についてはこちら)
<管理者側の操作画面>
⑦「新しい共有ドライブの組織部門」で「作成者の組織部門」を選択する場合
【設定手順】
⑦-1.「選択した組織部門」を選択 → 「変更」をクリック
※既に選択された状態である場合は設定手順をスキップしてください。
⑦-2.任意の組織(今回は「002_TEST」)をクリック → 「選択」をクリック
⑦-3.「保存」あるいは「オーバーライド」をクリック
【確認手順】
次項から、設定の反映が正常に行えているかの確認方法を記載いたします。
⑦-4.「1GWS一般」ユーザー(エンドユーザー)が新規フォルダ「選択した組織部門」を作成
(共有ドライブの作成方法についてはこちら)
<エンドユーザー側の操作画面>
⑦-5.管理コンソール上で共有フォルダ「選択した組織部門」の組織を確認すると、「1GWS一般」ユーザーが所属している組織「001_TEST」ではなく、選択した組織「002_TEST」の管理下に作成されたことが分かる
(共有ドライブの所属組織の確認方法についてはこちら)
<管理者側の操作画面>
【注意点】
下記の画像の赤枠内の設定に関しては、あくまで左ペインで選択中の組織の共有設定となります。
「新しい共有ドライブの組織部門」の「選択した組織部門」の共有設定は反映されませんのでご注意ください。
【まとめ】
いかがでしたでしょうか。
本記事では、「新しい共有ドライブの組織部門」機能についてご紹介いたしました。今後Google Workspaceをご利用する際に、少しでもご参考になれば幸いです。
【参考記事】
特定の共有ドライブのデータポリシーを管理する- Google Workspace 管理者 ヘルプ
共有ドライブを作成する- Google Workspace ラーニングセンター
共有ドライブの共有設定を変更する- Google Workspace 管理者 ヘルプ
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