2025年1月に Gemini for Google Workspace が Google Workspace に標準搭載されるというニュースが発表されました。
このアップデートに伴い、Gemini for Google Workspace 未契約の Google Workspace 環境でどのような変化が起きるのか、管理コンソール上の設定値などについてご紹介します。
参考:最先端の Google AI が Workspace Business プランと Workspace Enterprise プランで利用可能に
■本記事の前提
本記事はGemini for Google Workspace 未契約の Google Workspace 環境を前提にご紹介します。
Gemini for Google Workspace ご契約済みの Google Workspace 環境と情報が異なる場合がございますので、予めご認識おきください。
※本記事の情報は2025年2月18日時点での仕様のものです。
【Gemini for Google Workspace 未契約の Google Workspace 環境での変化】
Google Workspace Updates(Google 社のアップデートニュース)からの情報によると、以下のような変更点があります。
- サイドパネルが利用可能
- 要約
- 画像生成やドキュメント関連の作成サポート
※詳細はアップデートニュースを参照ください
大きな変化が「サイドパネル」です。このサイドパネルは Gmail や Google ドライブ、Google Meet や Google Chat にて順次表示されていく予定です。
また、サイドパネルは Business エディションと Enterprise エディションで制御範囲が変わってきます。
- Business エディション:サイドパネルの制御不可
- Enterprise エディション:サイドパネルの制御可能(詳細な設定個所は後述)
【管理コンソール上の設定値 - 生成AI周り】
今回のアップデートに伴い、管理コンソール上で増えた設定値についてご紹介します。
■サイドメニュー
管理コンソール上でサイドメニューに「生成AI」の項目が増えています。
・Gemini アプリとは
Google Workspace 上の右上のランチャーから Gemini のマークをクリックすると、チャットベースの Gemini が立ち上がります。
これが Gemini アプリです。
■管理コンソール > 生成AI > Gemini アプリ > サービスのステータス
サービスのステータス管理が増えています。
ユーザーに Gemini アプリを利用させる場合はこの設定を オン にする必要があります。
■管理コンソール > 生成AI > Gemini アプリ > ユーザーアクセス
Gemini アプリにアクセスできるユーザーを Google Workspace または Workspace for Education の利用規約に基づいて、アクセスを許可するライセンスが割り当てられているユーザーに制限する設定です。
この設定を オン にすると、Gemini標準搭載対象外のライセンス(Geminiがコアサービスでないライセンス)を持つユーザーが「データ保護なしのGemini アプリ(コンシューマー向けGemini)」を利用できるようになります。
注意点:
不用意に無関係のユーザーに Gemini を利用させないようにチェック無しにすることを推奨します。
■管理コンソール > 生成AI > Gemini アプリ > 拡張機能
Gemini アプリがGoogle Workspace のコンテンツから情報を見つけて、Gemini アプリで直接回答を返せるようになる設定です。※2025年2月時点で本設定はベータ版となります。
ベータ版のため今後仕様変更がかかる可能性は高いですが、利便性向上のため有効化することを推奨します。
・Gemini for Google Workspaceとは
アイデアやアドバイスを得たり、生産性を高めたりするのに役立つコラボレーション パートナーです。
Gemini Advanced、サイドパネル、文章作成サポート、デザイン作成サポート、データ整理サポートなどの機能を有しています。
参考:Gemini for Google Workspace
■管理コンソール > 生成AI > Gemini for Google Workspace > 機能へのアクセス
※Enterprise エディションのみ※
管理者は、Workspace サービス(ドライブとドキュメント、Gmail、Google Chat、Google Meet)で Gemini 機能とサイドパネルを有効または無効にできます。
特定のサービスでサイドパネルなどを利用させたくない場合は、この設定をオフにすることで制御することができます。
注意点:
本設定は Enterprise エディションでのみ表示される設定値です。Business エディションをご契約のテナントでは表示されないため、ご注意ください。※Business エディションではサイドパネルの制御ができません。
【管理コンソール上の設定値 - Gemini 関連】
今回のアップデートに伴い、管理コンソール上で増えた Gemini 関連の設定値、および影響がある設定値についてご紹介します。
■管理コンソール > アプリ > Google Workspace > ドライブとドキュメント > 機能とアプリケーション > Drive SDK
Drive SDK の設定自体は、既存の設定値です。
ただ、Drvie SDK が オン になっていないと Gemini アプリ上でドキュメントやスプレッドシートへのエクスポートが不可になるため、利用する際は オン にしておく必要があります。
■管理コンソール > アプリ > Google Workspace > Google Meet > Gemini の設定 > Google AI によるメモ作成
今回のアップデートに伴い、増えた設定値です。
Google Meetでの「会議メモ作成機能」の利用を制御する設定です。オン にすると、Google Meetの会議内で「メモの作成を開始」をクリックすることで、会議メモが作成できるようになります。
会議メモは、会議主催者の Google ドライブに保存されるか、カレンダーの既存のドキュメントに追加されます。
■管理コンソール > アプリ > Google Workspace > Google Meet > Gemini の設定 > 自動メモ作成
今回のアップデートに伴い、増えた設定値です。
オン にすると、Google Meetの会議開始時に、自動的に会議メモの作成がスタートします。
会議メモを取得しない場合は、会議作成時に主催者が オフ にするか、会議中に誰かが オフ にする必要があります。
■Google Vault の Google Meet 保持ルール設定
Google Vault 上で Gemini 関連の設定値が増えたわけではないですが、Google Meet で Gemini 関連の設定値・機能が増えたことから以下のような設定をお勧めします。
Google Meet の保持設定は、Google ドライブのルールで保持するか、Google Meet 固有で保持するかを選択できます。
Google Meet が出力する会議メモや録画データは Google ドライブに出力されますが、Google Vaultでの保持仕様は Google Meet の保持設定が優先されます。
データ保持のルールが共通(例えばすべて無期限)の場合は、Google Meet の設定はせずGoogle ドライブのルールに統一したほうが運用を簡素化することができます。
いかがだったでしょうか。
今回は Gemini for Google Workspace が Google Workspoace に標準搭載されるアップデートに伴い、管理者向けの設定値等のご紹介をいたしました。
管理コンソール上でも「生成AI」だけでなく、ドライブとドキュメントや Google Meet など関連の設定値もございます。
自テナントにあった設定をすることで、よりスムーズな生成AI利用を実施いただければと存じます。
現状標準搭載に伴い、ロールアウト中となっています。今後も更新があった際は、可能な限り早めに都度本記事のアップデートをかけていく予定です。本記事が少しでも皆様のお力になれば幸いです。
【参考情報】
最先端の Google AI が Workspace Business プランと Workspace Enterprise プランで利用可能に‐ Google Workspace Updates
Gemini for Google Workspace ‐Google Workspace 管理者ヘルプ
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